今日のAI業界、また金融まわりをしっかり揺らしてきました。しかも今回は「AIって便利そうだよね」みたいなふわっとした話じゃない。個人投資家の4割強がすでに投資でAIを使っていて、SBIはWebX 2026の場でAI完全導入とオンチェーン金融を前面に出してきた。投資の現場でも、金融機関の戦略でも、AIはもう脇役じゃなくなってきています。
一方で、AIが投資を全部いい感じに回してくれるわけでもありません。数字を拾うのは速い。でも、間違うときは普通に間違う。こっちに都合のいい答えばかり返してくることもある。だからこそ、便利さと危うさをセットで見ておくのが大事だと思います。
個人投資家の4割強がAIを使っている
まず目に入ったのが、日本経済新聞の記事 で紹介されていた個人投資家調査です。全体の約4割が、すでに投資でAIを使っているとのこと。これ、数字としてはかなり大きいです。投資の世界って、新しいツールが出ても「一部の好きな人が触ってる」で終わることも多いんですが、今回は少し違う。日常的な道具として入り始めています。
世代別に見ると、10〜20代の利用率は67%、30〜40代も56%と半数超え。若い投資家ほど、AIを当たり前のように使っている感じです。逆にシニア層はまだ低めで、ここにはかなりはっきりした世代差があります。僕はこの差を見て、投資の入り口そのものが世代ごとに分かれ始めているんだなと思いました。昔なら証券会社のレポートや雑誌が入口だったけど、今はChatGPTやGeminiが入口になる。
しかも用途が面白い。最多は「ニュース・情報の収集」で、その次に「銘柄探し」「投資方針を立てる」が続きます。つまり、AIは売買の自動化より先に、情報の圧縮装置として使われているわけです。これはかなりしっくりきます。僕自身も、個別株を調べるときは、まず情報の山をどれだけ短時間でさばけるかが勝負になります。そこでAIがいると、最初の足切りがかなり楽になる。
ただ、記事の中で頻繁にAIを使っている投資家からは、かなりリアルな声も出ています。「数値などのデータは間違っていることも多い」「使い込むと自分にとって都合のよい意見ばかり言うようになる気がする」。この2つ、地味だけどかなり本質です。AIは速い。でも、速いことと正しいことは別。特に投資では、間違いのコストがそのまま損失になります。だから、AIを使うほど“検算する習慣”が必要になるんですよね。
あと、利用ツールのトップ2がChatGPTとGeminiだったのも納得です。どちらも一般ユーザーが入りやすいし、情報整理との相性がいい。投資の現場で求められているのは、派手な予測モデルというより、まず「読む量を減らすこと」なのかもしれません。

SBIのWebX 2026講演は、金融の再編宣言っぽかった
次に、CoinPostの記事 で取り上げられていたSBI北尾会長のWebX 2026基調講演。ここはかなり攻めた内容でした。北尾氏は「革新的テクノロジーの潮流とSBIグループの取り組み」として、AI完全導入、オンチェーン金融、ネオメディアという3本柱を約50分かけて語っています。50分って、ただの方針説明では済まない長さです。かなり本気。
面白いのは、AIが単なる効率化ツールではなく、金融の構造を作り替える前提として置かれているところです。オンチェーン金融という言葉も、以前よりずっと現実味があります。取引所、資産運用、RWAトークン化、メディア戦略まで一気通貫で束ねようとしている感じ。SBIって、昔から「金融グループ」というよりインフラを押さえにいく会社という印象があるんですが、その動きがAI時代にもう一段強くなっているように見えます。
個人的には、こういう講演を聞くと「AIで何が変わるか」より「誰が変化の受け皿を持つか」を考えたくなります。モデルそのものに夢を見るのもいいけど、実際に資金が流れるのは、電力、データセンター、決済、取引基盤みたいな地味な場所だったりする。華やかなAIアプリの裏で、ちゃんと土台を持っている会社が強い。これは投資でもわりと露骨に出ます。
SBIが描いているのも、たぶんそこです。AIを導入して社内を効率化するだけじゃなく、金融商品の流れ、取引の流れ、資産の流れそのものを再設計する。その先にオンチェーン金融がある。つまり、AIは“補助輪”じゃなく“設計思想”になりつつあります。

AI相場の本命は、モデルよりインフラだ
AI投資って、ついChatGPTやGeminiみたいな「目に見えるサービス」に注目しがちです。わかりやすいし、触っていて面白い。
でも今日のニュースを見ていて、僕はあらためて思いました。AI相場で本当にお金が向かっているのは、その裏側なんですよね。データセンター、電力、計算資源、レガシー更新、オンチェーン基盤。AIエージェント時代の勝ち負けを分けるのは、こういうインフラ側の投資だと思う。
Forbes JAPANの記事 でも、AIブームの本丸はモデルだけではなくインフラにある、という見方が出ていました。元OpenAI研究者がAIインフラ銘柄や暗号資産マイナーに大きく張っている話も、この流れで見るとかなり納得感があります。
AIが動けば電気を使う。電気を使えば設備が要る。設備が増えれば、そこにお金が流れる。結局、あとから効いてくるのは“地味だけど逃げない資産”なんだよね。
一方で、ダイヤモンドZAiの記事 で紹介されていたテーマ型ETFも、今の相場とは相性がいいです。AIや防衛みたいなテーマは、個別株で追うと値動きも情報量も重い。
ETFなら、テーマ全体の流れをある程度まとめて拾える。新NISAの成長投資枠で考えている人には、かなり現実的な選択肢になります。
僕の場合、この一連の流れを見て「AIをどう使うか」だけでは足りないなと感じました。これからは「AIが必要とするものにどこまで乗るか」もセットで考える時代だと思います。
アプリの派手さに目を奪われるより、電力、サーバー、通信、決済、資産の流れを見る。そこを押さえた方が、結果としてブレにくい。金融って、最初は派手なテーマで盛り上がっても、最後はインフラ勝負になることが多いんですよね。
AI投資を始めた人も、これから考える人も、「AIで何を見るか」と「AIの裏で何が必要か」は分けて考えた方が整理しやすいです。
前者は情報整理。後者は投資テーマの選定。
この2つをごちゃっと混ぜると、相場の熱気だけを追いやすくなる。正直、そこはかなり冷静でいたいところです。
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