結論から言うと、ChatGPTを株価予想マシンとして使うより、決算資料を読み解く「投資メモ作成係」として使うほうが現実的です。
僕は決算短信や説明資料を読むとき、数字を拾うだけで疲れてしまうことがある。そこで、資料をそのまま投げて結論を出させるのではなく、①事実の抽出、②変化の理由、③リスクの洗い出し、④自分で確認する項目、の順番に分けて使うようにしています。
この記事では、ChatGPTで株式分析を始める手順と、そのまま使えるプロンプトをまとめます。個別銘柄の売買推奨ではなく、自分の判断材料を整理するための方法です。
ChatGPT株式分析で最初にやること
最初から「この株は買いですか?」と聞くのはおすすめしません。AIはそれっぽい理由を組み立ててしまうし、資料にない情報まで補ってしまう可能性があるからです。
先に公式資料を用意します。日本株なら、企業のIRページ、東京証券取引所の適時開示情報、金融庁のEDINETなどが候補です。僕の場合は、決算短信と決算説明資料をダウンロードし、対象期間と会社名が合っているかを確認してから使います。
参考にする一次情報は以下です。
- 東京証券取引所 適時開示情報:https://www.release.tdnet.info/inbs/I_main_00.html
- 金融庁 EDINET:https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/
- OpenAI ChatGPT:https://chatgpt.com/
ここで大事なのは、SNSのまとめや検索結果の要約を元資料の代わりにしないこと。数字の出どころが分からなくなるためです。

実際の手順:決算資料を4回に分けて読む
1回目は「事実だけ」を抜き出す
まずPDFやテキスト資料を読み込ませ、評価を求めずに事実を表にします。プロンプトはこれで十分です。
以下の決算資料だけを根拠に、事実を整理してください。
推測や一般論は入れず、資料に記載された数字と表現を優先してください。
出力項目:
- 売上高、営業利益、経常利益、純利益
- 前年同期比、会社計画に対する進捗
- セグメント別の増減
- 通期予想の修正有無
- 配当予想の変更有無
- 資料内で明示された増減理由
- 根拠ページまたは見出し
数字が見つからない項目は「資料内で確認できない」と書いてください。
「分からないものを分からないと書く」という指示を入れるのがコツです。これだけで、空白を勝手に埋める回答がかなり減ります。
画面上では、左側に資料、右側に項目別の表が出てくるイメージです。表の数字を元PDFと見比べ、単位が「百万円」なのか「億円」なのかを必ず確認します。ここを飛ばすと、桁を取り違えたまま分析が進みます。
2回目は「なぜ増減したか」を分解する
次は数字の変化を、事業要因と一時要因に分けます。
先ほど抽出した事実を使い、業績の変化を次の4つに分類してください。
1. 売上数量・顧客数の変化
2. 単価・価格・為替の影響
3. コスト・販管費・投資負担
4. 一時的な要因、または判断できない要因
各項目について、決算資料に根拠があるかを示してください。
根拠がない場合は推測せず、「根拠なし」と明記してください。
ここではAIの答えを正解扱いしません。むしろ、読み落としを見つけるための壁打ちです。
たとえば営業利益が伸びていても、主力事業の改善ではなく、一時的な費用減少が理由かもしれない。反対に、利益が落ちていても、新規拠点や研究開発への投資が原因なら、単純な悪化とは限りません。AIに分類させたあと、元資料の該当箇所へ戻って確認します。
3回目は「良い材料」と「嫌な材料」を分ける
投資メモでありがちな失敗は、ポジティブな材料だけを集めることです。そこで、強みと懸念を同じ形式で出させます。
この決算資料から、投資判断に関係しそうな材料を整理してください。
A. ポジティブ材料:5個以内
B. ネガティブ材料:5個以内
C. まだ判断できない点:3個以内
各項目に「資料の根拠」「業績への影響」「次回確認する指標」を付けてください。
資料にない内容を補足しないでください。
僕が特に見るのは「次回確認する指標」です。売上成長率だけでなく、受注残、利益率、在庫、営業キャッシュフローなど、会社のビジネスに合った数字へ落とし込めると、次の決算で答え合わせができます。
4回目に自分の仮説をぶつける
最後に、自分の仮説を入力します。ここで初めて反論を求めます。
僕の仮説は「この会社は、短期的なコスト増よりも主力事業の成長が重要だ」です。
以下の観点で反論してください。
- 仮説を支持する事実
- 仮説と矛盾する事実
- 見落としている可能性がある指標
- 次回決算までに確認できる公開情報
結論を急がず、事実と推測を分けてください。
この使い方だと、ChatGPTが投資判断を代行するのではなく、自分の思い込みを点検する役になります。ぶっちゃけ、最初から「買いか売りか」を聞くより、こちらのほうが使い道は広いです。
うまくいかなかった使い方
僕も以前は、銘柄名だけ入力して「今後上がるか分析して」と聞いていました。返ってくる文章は読みやすいのですが、どの数字を根拠にしているのか曖昧になりがちでした。
特に注意したいのは、次の3つです。
- 最新株価やニュースを確認せず、過去の知識だけで答えさせる
- 資料のページ番号や単位を確認しない
- AIが作った目標株価を、自分の分析結果と混同する
株価、時価総額、PER、配当利回りなどは変動します。記事やSNSに書かれた数字をそのまま使わず、確認した日時と出典を投資メモに残すほうが安全です。AIの回答に数字が出てきても、一次情報や証券会社の画面で再確認します。

投資メモのテンプレート
最後に、僕が使っている簡易テンプレートです。
銘柄名:
確認日:
対象決算:
■ 事実
・売上:
・営業利益:
・通期計画の進捗:
・セグメント動向:
■ 仮説
・成長要因:
・悪化要因:
■ リスク
・業績面:
・財務面:
・市場環境:
・自分が見落としていそうな点:
■ 次回確認する数字
1.
2.
3.
■ 判断
買う/売るを急がず、次に確認する条件を書く。
この「判断」の欄に、いきなり売買を書かないのが自分なりのルールです。「営業利益率が前回水準を維持できるか」「会社計画の進捗が想定を下回らないか」のように、検証できる条件へ置き換えます。
まとめ:ChatGPTは投資判断ではなく、読み落とし防止に使う
ChatGPT株式分析のコツは、AIに未来を当てさせることではありません。公式資料から事実を抜き出し、増減理由を整理し、反対材料を出させ、自分の仮説を点検することです。
僕の場合、決算資料を読む時間そのものがゼロになったわけではない。でも、どこを確認すべきかが先に見えるので、読み方はかなり楽になりました。投資メモを作る習慣と組み合わせるなら、ChatGPTは便利な補助役になります。
なお、この記事は特定の金融商品や銘柄の売買を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な判断は、公式開示資料や最新の市場情報を確認したうえで、自分の責任で行ってください。生成AIの回答には誤りが含まれる可能性があるため、数字・出典・日付は必ず再確認してください。
生成AI活用の基礎ツール。
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