AI相場はまだ終わらない。日経6.8万円予想とROBOPRO好成績の裏側

AI投資

今日もマーケットは落ち着かない。AI関連が強い。いや、強すぎると言ったほうが近いかもしれません。一方で、「じゃあ個人はどこにお金を置けばいいのか」という問いも、じわじわ重くなってきました。今回引っかかったのは、野村證券のかなり強気な日本株見通しと、ROBOPROの実運用成績です。方向は違うように見えて、どちらも「AIをどうお金に変えるか」という一点でつながっています。

野村證券が日経平均68,000円を置いた理由

野村證券のレポートでは、日経平均株価の2026年末見通しを68,000円、2027年末70,000円、2028年末72,500円に引き上げています。かなり攻めた数字です。ただ、ノリで強気になっているわけではない。背景にあるのは、AI・半導体企業の利益成長が想像以上に強いという見方です。

レポートでは、ソフトバンクグループを除くAI・半導体企業の経常利益が2026年度に倍増する見込みだと整理されています。従来のトップダウン型の見通しでは、その伸びを十分に拾えていなかったため、TOPIX EPSそのものを見直した、という流れです。TOPIX EPSは2025年度204.8円、2026年度225.2円、2027年度257.1円、2028年度274.6円。単なる期待ではなく、利益見通しの積み上げで株価水準を押し上げる構図になっているのが面白いところです。

僕がこの話で引っかかったのは、野村が「AIテーマだけ」で語っていないことです。上がるのはAI・半導体だけではなく、電機、機械、銀行が軸になると見ている。特に銀行は、利上げ観測や日銀のスタンス変更が絡むと急に存在感を増します。AI相場と金利相場は別物に見えて、実際はかなり連動している。設備投資が増えれば機械が動き、資金調達の流れが変われば銀行も息を吹き返す。今回のレポートは、そういう市場全体の連鎖をかなり素直に織り込んでいる感じがします。

もちろん、いい話だけでは終わりません。下振れリスクとしては、米国ハイパースケーラーの設備投資が2026年10〜12月期をピークに鈍化する可能性が挙げられています。ここはかなり大事だ。AI投資の原資は無限じゃないし、巨大クラウド企業がアクセルを緩めれば、日本の半導体や周辺機器にもじわっと効きます。つまり、日経6.8万円という話は夢物語ではないけれど、米国の設備投資サイクル次第で風向きはあっさり変わる、ということでもあります。

さらに気になったのは、バリュエーションです。野村はTOPIXが12カ月先予想PERで17.5倍、日経平均が22.4倍と、過去レンジに比べてやや割高感があると見ています。ただし、今後はPERが上がるというより、EPS拡大が株価を押し上げる局面を想定している。ここ、個人的にはかなりリアルだと思います。上昇相場の最初は「なんとなく高い」で片づけられがちですが、業績が本当に伸びるなら話は別です。AIブームが泡で終わるのか、それとも産業構造の更新になるのか。まだその分岐点にいる感じがします。

ROBOPROの+58.2%は、派手さよりも現実味がある

ROBOPROの+58.2%は、派手さよりも現実味がある

もう一つ気になったのが、HonNeのROBOPRO実運用記事です。2023年2月14日に10万円で始めたAI投資が、36カ月後の2026年2月26日時点で158,228円、つまり+58.2%になったという内容。数字だけ見ると地味にも見えますが、これが「ほったらかし」で積み上がった結果だと考えると、印象はかなり変わります。

ROBOPROはFOLIO証券の投資一任サービスで、口座開設、入金、投資開始までの流れがかなりシンプルです。レビューでは、毎月の相場に応じて投資配分を自動で変え、債券・不動産・コモディティまで分散してくれる点が評価されています。コースが1つしかないので、投資初心者が「どれを選べばいいんだ」と迷い続ける時間を減らせるのも強い。正直、この“考えなくていい”という価値は大きいです。投資は銘柄選びより、むしろ継続のほうが難しいことが多いから。

一方で、良いことばかりでもありません。記事では「期待したほど資産が増えていない」という不満もちゃんと書かれていました。ここが大事で、AI投資という名前から連想される派手な期待値と、実際の値動きにはズレがあります。ROBOPROは短期で爆発する商品ではなく、相場を見ながら機械的に配分を切り替えていくタイプです。だからこそ、数字の伸びが見た目ほど華やかではない局面もあるし、下がる時は普通に下がる。放置して増やすサービスは、裏を返せば「退屈に耐えるサービス」でもある。

それでも、36カ月で+58.2%というのは悪くないです。年率換算の見栄えだけで判断するとブレますが、3年という時間軸で見ると、積み上げ型の運用としては納得感があります。しかもROBOPROは日経トレンディ2025年7月号で、2024年度主要ロボアド比較の「最高リターン」を記録したと紹介されています。AI投資という言葉が先行しがちな世界で、実際の運用実績を前面に出せるのは強い。結局のところ、投資サービスは説明文より数字です。

いま見えているのは、AI相場の二層構造だ

いま見えているのは、AI相場の二層構造だ

今回の2本を並べて見ると、AI相場ってかなり二層に分かれてるんですよね。ひとつは、野村證券が話しているような、日本株全体のEPS拡大を前提にした大型テーマの話。もうひとつは、ROBOPROみたいに、個人がその波を直接取りに行かず、アルゴリズムに任せて中長期で拾う話です。どっちが正解というより、投資スタイルがまったく違う。

僕は、今の相場は「AIを買う」だけのゲームじゃなくなってると思っています。むしろ「AIの恩恵をどこで受け取るか」を選ぶフェーズ。半導体を買うのか、電機や機械まで広げるのか。それともロボアドで分散して持つのか。選択肢は増えたけど、逆に答えは難しくなった感じがあります。だからこそ、強気予想にそのまま乗るより、資金の置き場所を分ける感覚が大事です。

日経平均6.8万円という数字は、正直かなり派手です。でも、その裏で語られているのは「AIはまだ設備投資のフェーズにあり、利益もまだ伸びる」という、意外と地に足のついた話。一方でROBOPROの+58.2%は、派手さはそこまでないけど、個人投資家にとってはかなり現実的な着地点に見えます。派手な夢と地味な再現性。その両方が同時に走っているのが、いまのAI・金融市場なんだと思う。

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